DARKER THAN BLACK 流星の双子 第1話~第2話(新)
同じ設定とごくわずかなプロット(単語単位)が与えられた上で、2話ごとに脚本家が変わっていき、それぞれの脚本家が置かれた状況はほぼ同一であるにもかかわらず、毎話まったく異なった物語が展開していた「裏エンドレスエイト」たる「黒の契約者」とは打って変わって、この第2シリーズでは、脚本家は1話ごとに変わり、キャラクターたちの関係性も刻々と変化し、物語の根幹(双子とその周囲)そのものに絡む事件が、リアルタイムで進行していく。第1期では各脚本家によるシナリオ会議すら行われていなかった(DVDのブックレット参照)のに対し、第2期では明確なシナリオの方向性が固められている。そもそも第1期がなぜヒットしたかといえば、謎めいた作品世界の設定、意味ありげな隠語の多用、キャラクターが背負っているらしい何か等々の「解明したくなる事柄」がこれでもかとぶち込まれており、作品を鑑賞すると同時に謎解きを進めるような、そんな楽しさがあったからだったんだけど、結局のところ、狙ってかどうかは知る由も無いが、謎は謎のまま、何も明らかになることが無いままに25話の放映は終了し、視聴者は作品の裏側にあるものを見ることが出来ず、上っ面をなぞっただけで肩透かしを食らった、そんな感覚が共有されていたように思う。 でもそれは、一つの作品のあり方として自分はものすごく肯定したくて、それはある一つの問題に対して簡単な答えを見せず、バラバラのピースから緻密に物語の裏側を視聴者自ら構築していく作業、つまり視聴者と視聴者の作品を通じたコミュニケーションを促進し、それ自体が次第に作品を鑑賞すること以上の楽しみになっていく感覚を思い出すことで、同時に「アニメを語ること」の楽しさにも気付く、そんな結末が待っているように思えたし、実際そうなったからだった。 でもこの第2シーズンはどうだろう。少なくともこの2話を観た段階で、自分は第1シーズンのような結末を想像できなくなっている。これは、果たしてあの「DARKER THAN BLACK」なのか。まだ物語の行く末も見えないうちから早急に結論を出そうとするのは、まさしく第1シーズンの物語に背く行動だけど、第2期では1期でばら撒いた謎の解明に終始してしまうような予感が、妙にする。 「契約者は感情を持たない」。この大原則があるからこそ契約者たちは平然と人を騙し、ポーカーフェイスで任務を遂行することができる。その中で黒だけが仮面を被っていることについては、単に作中に溢れる謎の一つということを越えた意味がある気がする。彼がいくら仮面を被り、ポーカーフェイスを維持しようとし、表情を隠蔽したところで、彼の行動に付きまとう「人間臭さ」は決して消えることがない。倉庫での追跡劇においても、そうだった。合理的判断を捨てている、と自ら口にしたくらいなので、そのことは明らかだろう。せめて押し殺していられる範囲内では、表情によって感情を読まれ、敵に有利な情報をむざむざ渡すことが無いように、彼が仮面を付けているのだろうということは容易に想像できる。 じゃあ、表情が隠れているのに、「人間臭い行動をとっている」、つまり感情が画面から読み取れてしまうことについては、どう考えればいいのか。もっぱらキャラクターの表情を見て、そのわかりやすい機微、たとえばデフォルメやチーク、細かく言えば目の動きから鼻・唇に至るあらゆるパーツの動きを観察して「感情を読み取る」ことを「アニメのリテラシー」と言うのなら、それは大間違いだということを、この「仮面を被らせたキャラクターに感情を持たせ、視聴者に伝える」試みは明かしてはいないか。キャラクターのキャラクター性を表情に求め、芝居をその動きだけで完結させてしまうのでは、キャラ表に描かれたせっかくの身体が台無しになってしまう。最近は特にそういった傾向を持つアニメが多い気がする。キャラクターの全身を使って、キャラクターに行動させ、その上でキャラクター性を感じさせる、そんな感情表現のオルタナティブを「黒」というキャラクターが提示していると考えると、結構面白いんじゃないか。 by tamtam_rev2 | 2009-10-19 02:18 | 2009/Q4 視聴開始
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勝手にリスペクト(順不同) パフォーマティヴなアニメ批評ブログ。徹底した自分語りの排除と作品主義的言説に、アニメ批評の一つの極北を見る。 反=アニメ批評 作品間あるいは話数間の相関を重視する姿勢を見習いたい。 WebLab.ota 作品受容の環境から作品を語る。作家がいて作品が成立するのではない、作家と読者の協働関係が無ければその作品は存在し得ない。 metamorphosis 以下は相互リンク 作画・演出面における着目点の鋭さにはただただ感心するばかり。シネフィル的な視聴の質の高さがある。 おっきー大将のアニメ雑記 最新のコメント
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